国際線ネットワークも発達し、海外へ気軽に行けるようになった現代社会。社会人になってから行った旅行先が気に入った、もしくは海外ドラマにハマった、という理由で「新しい言語を習得したい!」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
私はダンナのドイツ駐在のため、30才を過ぎてからゼロからドイツ語を勉強し、2年弱で独検準1級を取得しました。新しい言語を勉強して感じたことは
今までの語学学習方法は間違っていた!!!!
ということです。学生時代に英語を勉強しましたが、今まで当たり前だと思っていた学習方法とは全く違う方法で勉強しました。
実際に私がどのようにドイツ語を習得したのか、勉強法&学習ツールをご紹介します。
30代から新言語を勉強することの難しさと学生時代の後悔
一番辛かったのは、学生時代の時に比べて記憶力がはるかに劣っていたことです。学生時代はちょっと集中して単語を覚えれば、次の日の英単語テストもふつうに出来ていました。さらに、きちんと勉強していたことは、今でも20パーセントくらいなら思い出せます。
80パーセントはどこへ行ったのやら・・
普段の生活で感じることはありませんでしたが、新しいものを勉強し始めるとそれをヒシヒシと感じます。
さらに、私の学生時代の後悔。なんと大学時代に第二言語、ドイツ語を選択していたのです!第二言語の単位取得は必須で、そんなに興味もないドイツ語を選択し、試験には辞書を持ち込んでよかったので「ゼロ勉」で試験に臨むという、なんとも無為な時間を過ごしてしまっていました・・
あの時に真面目に勉強していたら、20パーセントの記憶、ドイツ語の格変化や数字くらいは覚えていたかもしれないのに・・・あの頃の私に喝!です。もし学生のみなさんがこの記事を読んでいたら、覚えがいいうちにしっかりと勉強しておかれることをおすすめします。
と、後悔しても仕方ありません。もうゼロから勉強するしかありません!!
勉強した場所
私がドイツ語学習を始めたのは、ドイツに住み始めてからです。週に2回ドイツの語学学校に通い、他のヨーロッパの国からきた学生と一緒に勉強していました。
そんなん、ドイツに住んどるんやけん、ドイツ語話せるようになって当たり前やん。
と思われるかもしれませんが、「海外に住んだから、その国の言語を自然に覚える」ことは絶対にありません!!!
よく、留学したからor海外に住んでたから「話せるようになっていいね!羨ましい!」と言われることがありますが、海外に住んでいて自然とその国の言語を覚えるのは0〜3歳までです。
海外経験があって、外国語を話せるようになっている人は並々ならぬ努力をしています。
実際に、私のダンナも2年間ドイツに住み、ドイツ人と仕事をしていましたが、話せるドイツ語は「Zwei Bier, bitte!!」(ビール2つください)のみ。
一番使えるドイツ語やな!!!
ただ、海外で勉強する事にメリットはあります。それは、外国語に触れる機会を簡単に作る事ができる事です。日本にいたら手に入らないドイツ語の本が売っていたり、積極的に近所の人に挨拶をする事で話す機会を作れたり。
もちろん自分から積極的に動かない限りは、こういった機会を活用できず、結局は海外に住んでいても日本にいるのと同じ状態です。
あとで例を紹介しますが、逆を言えば、日本でも海外にいるように勉強することは可能です。海外に住んでいる場合よりは手間はかかりますが・・
今までの語学学習法
中学生〜高校生までの語学勉強法
- 単語帳を見て、ひたすら書いて覚える。
- 文法問題集を買って、ひたすら解く。
- 教科書を読んで、頭の中で日本語に翻訳していく。
- 日本語で書かれた文章を、英訳しながらノートに書く。
この方法で6年間英語を勉強し、大学も英文科に入りました。しかし、大学生になってカナダにホームステイをして気づいたこと。相手が言ってる事がわからない。自分が思った事が話せない。英語は得意だと思っていたのに、自分の英語知識が全く通用しなかったのです。
マジメに勉強してきたのに・・・
今まで当たり前だと思っていた勉強法が、海外に行っても通用しなかった経験を踏まえ、ドイツ語を勉強し始める時には勉強法を変えました。
ゴールを決める
その言語を習得してどのように使っていきたいのか?それを決めることで、学習の方法は変わってきます。私の場合は以下の2点を目標にしていました。
- ドイツで生活するのに困らない程度の、簡単な日常会話ができるようになる
- Deutsch telcのB2に合格する(日本でいう独検です。独検の準1級レベルと同じくらい)
もっと上のレベルを目指している方とは私の勉強法とは異なってくると思いますので、参考までに。
実際の勉強法
STEP1 日本語で書かれた教科書で、ひととおりの文法を学ぶ
「30日で学べるドイツ語文法」という本を日本で購入し、ドイツに移住して最初の2ヶ月をかけて1冊終わらせました。当初は毎日1レッスン分勉強して、1ヶ月で終わらせようと思っていましたが、さすがにやる気が続きませんでした笑
この本は、とても文字が大きくて読みやすく、ドイツ語の格変化も表にまとめてあるので、復習がしやすく初心者に親切な本でした。例文の数もそこまで多くないので、無理なく続ける事ができます。
文章がぎっちり書かれてると、読む気がなくなってくる・・
初心者がいきなり難しい本を買って、ドイツ語文法を勉強するところから始めると、確実にドイツ語が嫌いになります。この本は、ドイツ語勉強を始める人にとってはちょうどいい内容&ボリュームです。
ただ、ある程度勉強している人にとっては物足りないので、言語学が好きでドイツ語を学ぶ人は、もっと専門的な本を買ったほうがいいと思います。
勉強を始めた段階では、文法に関して深く考えすぎず、文法を完璧に覚えようとせず、ドイツ語の構造や格変化がどのようなものがあるかを理解する程度でOK!!
STEP2 基礎の単語を覚える
単語学習からはやはり逃げられません、、でも、ドイツ語基礎単語2000語!!(例えば)とかいう単語本を買って、1ページ目からしらみつぶしに勉強していくのって辛くないですか?私はそういう単語集を買って、最後のページまで終わらせた事がありません。。。
なぜ単語集を終わらせる事ができないのか。
私に根気がないから!!
そう、根気もありませんが、ただ単純に単語を勉強するのが「面白くないから」です。なので、私は単語のみを切り離して勉強することを辞めました。
使う本はSTEP1で紹介した本1冊のみ!文法をひととおり学習する中で、基本の単語はある程度身に付いています。(見たことあるなぁくらいで、完全に覚えていなくてもOK!)色々な本に手を出すよりも、1冊の本を極めた方がお財布にも優しい!
単語のみ覚えようとすることを辞める。基本の単語は、これから紹介するツールで勉強をしていると何度も出てくるため、何度も同じ単語に触れる事で自然に覚えていく。
STEP3 とにかくドイツ語を「聞く」
文法と基本単語をふわっと理解するのと同時に、ドイツ語をひたすら聞く!聞く!聞く!!!!
とにかく耳をドイツ語に慣れさせる事が重要です。文法や単語ばかり勉強しても、結局聞き取れなかったらなんの意味もありません。ツールはなんでも良いんですが、STEP1で紹介した本にはCDが付いているので、本の文例を目で追いながらひたすら聞きます。
この本には、ドイツ語の上にカタカナで読み方が書いてありますが、カタカナだと発音が表現しきれていないので、誤った発音を覚えてしまわないように、勉強を開始した時から必ずCDを聞きましょう!!
特に、アルファベットの読み方や数字の言い方、ウムラウト、二重母音の発音などは重要になるので良く聞いて耳を慣らしましょう。
「J(ジェイ)」の読み方が「ヨット」だとぉ??!!
リスニングにおすすめの無料アプリを3つご紹介します。
- DW「Deutsch Welle」・・日本にいながらLIVE TVを見る事ができます
- ZDFheute – Nachrichten・・録画された毎日のニュースをチェックする事ができます。
- SWR AKTUELL・・LIVE Radioやニュースを見る事ができます
ドイツ語の音に耳を慣らす。初めは、日本人学習者向けに販売されているCDなど。耳が慣れてきたら、ネイティブが見ているテレビの話すスピードに耳を慣らす。録画されたニュースの同じものを何度も聞くのも効果的。
ドイツ語に触れる機会を自ら作っていく事が大切!!
STEP4 とにかくドイツ語を「声に出して読む」
今までの私の勉強法は、スペルを覚えるために何度もノートに書いて覚えていました。もちろんライティング能力は大切です。ただ有難いことに、ドイツ語はローマ字読みに近く、ウムラウトや二重母音、ドイツのアルファベットの読み方などのルールを覚えると、割と簡単に単語のつづりを思い浮かべる事ができます。
例えば、ドイツ語でありがとう「ダンケ」は「Danke」と書きます。ローマ字そのまま!
なので、ドイツ語の文章を声に出してひたすら読み、口を動かす事で、自然とドイツ語が口から出てくるようになります。書いて覚えたものを口に出すよりも、口で覚えた音を文字に起こす方が簡単です。
私はドイツで語学学校に週2回通っていたので、そこの教科書を使って、ひらすら読んで練習していましたが、日本で語学学校に通おうと思うと高くつきます。
そこで、私がおすすめする教材は、DW Learn Germanという無料アプリです。
- アルファベットからドイツ語初級〜中級程度まで学習できる
- 動画でストーリー仕立てになっているため飽きない
- ストーリーが日常生活なので、どんな時にどのような単語・フレーズを使うのか理解できる
- 音声を聞いて、繰り返し声に出す練習ができる。
これを続けていると、STEP1でひととおりやった文法の復習ができます。この2回目の文法学習の時に、しっかりと口に出しながら覚えていきましょう!!格変化などは頭で表を覚えても、ふとした時に忘れます。よく使うフレーズなどを聞いて、口を動かして覚えた方が忘れません。
そして、このアプリをやっている時に分からなかった(間違えた問題)の部分は、STEP1の教科書に戻って理解します。1つ目の教材でさらっと流した文法を、2つ目の教材で確実にしていきます!
残念ながら、このアプリは日本語表記は無いので英語表記がドイツ語表記を選ぶことになりますが、ドイツ語を選ぶことをおすすめします。なぜなら、ドイツ語を勉強しながら英語を読むと頭がごっちゃになるので(私の場合です)、ドイツ語を勉強している時はなるべくドイツ語のみに集中する方が効率いいです!
2つ目の教材で勉強を始めるときに、格変化などが自然と口から出てくるように、繰り返し声に出して読む。分からない文法は、STEP1の日本語で書かれた教材に戻って、確認をしながら進めていく。
STEP1の文法の本で物足りなくなってきた方は、下に紹介している「【改訂版】詳解ドイツ語文法」も併用するのもいいです。例文も多く、目次から自分が調べたい文法をさっと引く事ができます。初級からステップアップして理解を深めるのにはとても良いですが、THE!文法!という感じなので、読み込みは必要です。
私が初めからこの本で勉強を始めていたなら、挫折していたと思います笑。初級向けでは無いので、初めての教材はSTEP1で紹介した本など、易しいものから入ることをおすすめします!!
STEP5 間違いを恐れずにドイツ語を使っていく
なんとなく分かってきたら、とにかく話す!話す!話す!
ドイツ語を話そうと思うと、あれ?これって男性名詞だっけ?女性名詞?格変化なんだったっけ?などどんどん疑問が出てきます。これを気にしすぎると、間違いを恐れて話せなくなり、ドイツ語が嫌いになってしまいます。
確かに、正しい文法で話すことは大切だと思いますが、それよりも大切なのは、楽しく言語を学んで楽しく話すことです。私も初めは「間違っちゃいけない」と思って語学学校でも縮こまっていましたが、よくよく聞いているとペラペラ話している他の生徒も、完全に正しいドイツ語を話しているわけではありません。
私が日本の義務教育で英語の授業を受けていた時は(今の英語授業がどのような形式かは分かりませんが)、文法問題を解いて、日本語を英語に訳して、一字一句合っているかという勉強の仕方をしていたので、間違いを恐れるようになったんだろうと感じました。
間違ってもいっか!
と思うと気持ちが楽になり、他の生徒とも楽しくコミュニケーションを取る事ができるようになりました。発言をすることによって、相手に伝わる発音なのか、自分の文法が合っているのかなども確認することができます。間違いを繰り返しながら、会話力を向上させていきましょう!!
文法の間違いを恐れずに、どんどん覚えたドイツ語を使っていく。通じなかったものは、もう一度文法や単語を調べて、次に話すとき通じるように対策を講じる。
語学学校の友人と会話をする時にとても役に立ったのが、「ドイツ語リアルフレーズBOOK」です。この本には、会話の中で大切な相槌や受け答え、とても短いフレーズだけど、ドイツ語でこれなんて言うの?と思うものがたくさん載っているのでとても使えます!!!中には、
このフレーズいつ使うん??
と言うものもありますが笑、ドイツ語の言い回しやネイティブの表現を知るのにもってこいの本です!CDもついているので発音も確認できます!
STEP6 とにかくドイツ語に触れる
- 単語を調べる時は、独独辞書を使う
- 無料アプリ「HelloTalk」でドイツ語ネイティブの友人を探す
- ドイツ語の雑誌を読む
独独辞書
ドイツ語の単語の意味を調べる時は独独辞書を使います。どうしても意味が掴めない時は、無理せず日本語で意味が書いてある辞書を使いましたが、難しい意味を易しいドイツ語に噛み砕いて説明してくれているので、基礎のドイツ語を覚えるいい機会になります。
また、独日辞書で引いても直訳しすぎてどういう場面で使う言葉なのか分からない、ということも独独辞書で引くと理解できます。
私が使っていたのは、「Deutsch als Fremdsprache」です。とても分厚くて重たいので、持ち運びには適していません。友人とカフェなどで話をするときは、電子辞書を持って行って、分からない単語を日本語で検索していました。
HelloTalkアプリ
HelloTalkアプリは、例えば「日本語を勉強しているドイツ人」とかで検索することができ、お互いに言語を教えあえる友人を見つけることができます。たまに出会い系の感覚でメッセージを送ってくる人もいるので、その点は注意が必要です。うまく使えば、語学学校などにお金を払うことなく話す機会を増やすのに良いアプリです。
ドイツ語の雑誌
自分が興味のある分野で良いと思いますが、私が読んでいたのは「Deutsch Perfekt」というドイツ語学習者向けの雑誌です。記事によって「LEICHT(簡単)」「MITTEL(普通)」「SCHWER(難しい)」の表記がされているので、レベル別で選んで読むことができます。難しい単語には、独独辞書に載っているような文章で意味が書いてあるので、単語を勉強しながら読むことも可能。
内容もドイツの今や、文化を知ることができる内容になっているので、楽しく読み進めることができます。
アマゾンで見つけることができませんでしたが、「Deutsch Perfekt」のアプリはありました!!
無料で試し読みもできます。「kostenlos」は無料です。
講読を申し込むと2300円かかるようです。
辞書や雑誌、ドイツ語を話す機会を作り、ドイツ語に触れる機会を自分で増やしていく!!
検定対策
検定対策は、受ける試験によって内容が異なると思うので、私が受けたテストに関してはまたいつか記事にしたいと思います。ただ、そんなに特別な検定対策はしていません。検定のための勉強は面白くないし、上で紹介した方法で勉強していれば、自ずと読解力や語彙力もついてきます!
ただ、日本とドイツの試験構成は全く違うと感じたので、検定対策本に関しては、受験する試験専用の本で学ぶことをオススメします。
独検を受けた時に勉強した本はこちらです↓
過去問を解くのが一番良いので、この本で勉強してから受験しました。ただ試験を受けてみて、この本を勉強しただけでは絶対に受からないと感じたので、普段から多くのドイツ語に触れておくことが重要です!!
ドイツ語ゼロから勉強法まとめ
私がゼロからドイツ語を学んだ勉強法をご紹介してきました。初めは、文法が英語とごっちゃになってしまったり、格変化も難しいし、リスニングも全然聞き取れなくて
もう嫌だ!!!
となっていました。私は徐々に会話のキャッチボールができるようになって、ようやくドイツ語学習が楽しくなってきました。最初のうちは難しい文法の勉強はほどほどにして、短い文だけどドイツ語が通じた!という成功体験を積み重ねていくことで、勉強のモチベーションに繋げる!という勉強の仕方をおすすめします!!
人によって、合う勉強法合わない勉強法があるかと思いますが、自分に合っているなと感じた勉強法を取り入れていただけると幸いです。
語学学習は楽しんでやりましょう♫
ドイツ語のクリスマスカード例文はこちら↓